君からの紫陽花が届かないあいだ 道草をしようと　読みかけの本を開いては 壁に囲まれた　影が行き交う世界を想う 冬を越せない生きものたちは　 美しい夕暮れや星空を眺めただろうか 彼らが見上げたその空を　今私が見上げています この空からは　何も落ちてきません...

月が満ちたら Don't call me って歌いながら 目玉焼きを作っていた朝に 電話をかけてきた　初めましての人がいて 今なぜか　満月の歌を　考えてる 月の裏側で　ピアノを弾いたりして あなたがいる世界が　汚れていく気がして あなたがいる世界が　も少し美しくなければ...

今夜の月はちょうど半月 木々の間から覗く横顔 満ちていくのか　欠けていくのか 分からないような　揺れている半月 そんなに僕を惑わさないで 君は言った　私のせいよ 甘い声で　鋭い言葉 泣きそうな顔で　 視線は訴えてる もう話したいこと以外　 話さないでいよう...

時を止めないで 君が好き　の「す」って　言った時に 時間が止まったこと　覚えてる 君は何でも　出来てしまうね 「き」が聞こえない　幻覚幻聴 時間がのびて　色んな風景と音が 重なって　押し寄せてきたの　急に 意地悪な太陽 嫉妬した月光 すいか　すみれ　すみわたる　...

葡萄畑で追いかけて 葡萄のJelly金色のアールグレイ 紫色のオーガンジーカーテンの向こうで シャンパンの泡 髪をオールルールアップした女主人 蓮の花　すり潰したようなアイシャドウ 私の心を休ませてくれる 何を失ってきたの 何を失うとそんな風になれるの...

金木犀の香りがした　帰り道 誰かが後ろから　ついてくる気がしたんだ 誰か私を　天国に送り込んでくれる人 もうすぐ真っ暗な　夜が近づく気配 風はしんと黙ってしまって空白 とても怖い気がするし ずっと待っていた気もする 最後には好きな自分でいるために 秋に好きな服を着ているの...