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MATYLDAのMERRY-GO-ROUNDな日々


海とピンクと輪廻の向こう
一.海の中に落としていた石ころたちを探しに行くその旅は、久しく遠い海岸線を走り続ける車窓から、まずはその陽の光が照らす波うち際の色を眺めることで大体の場所を推測していくという身も蓋もなく途方もない行為の連続にゆだねてみることから始まった。...
clouds6
2024年10月14日読了時間: 39分
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真綿の季節(下)-czasu w wata-2017
二十九.「さ、引き止めて、悪かったね。もう、行きたまえ」城主はそう言ったので、一礼をしてからその部屋を後にした。僕はほっと一息をついた。なぜなら、ちょうど雨が降り出したときに僕の右足小指の人魚から水がとくとくと流れ出したような気がしたからである。僕の右足の黒い足袋は小指のほ...
clouds6
2024年2月16日読了時間: 24分
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真綿の季節(上)-czasu w wata-2017
一.昨日のことなんやけど、UKIUKIに行く途中の道でNOVOTEL前にたむろしてたおじさんお兄さん四、五人グループのうちの一人に、「ダイジョブ、ダイジョブ。」って笑顔で言われた。「イエス、イエス、」って親指を立てながら思った。私はそんな顔で道を歩いているんだろうか。その前...
clouds6
2024年2月16日読了時間: 28分
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真空からのPrelude 2024
一. 深緑色の一見ただのスーツケースに見えるスチール鞄を持って、月探索機を颯爽と降りた。 Kaguyaだと聞いて、あと一行で終わるはずの夏休みの宿題を開いたまま、今ごろ風に吹かれている窓際のカーテン。 遠すぎるラジオからは、Kaguyaの話は何ひとつ聴こえてこない。も...
clouds6
2024年2月15日読了時間: 30分
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